[スタートアップインタビュー] インドのフリートマネジメントシステム「Intellicar」

人口が急拡大し、2025-30年ごろに中国を抜き世界一になるといわれているインド。インフラの整備もまだまだこれからで、マーケットそのものの規模の拡大はもちろん、様々な領域でビジネス機会、イノベーション機会が拡大しています。

シリコンバレーで経験を積んだイノベーターたちが一旗揚げ、故郷に戻ってきてエンジェル投資家になったり、再びスタートアップに身を投じるケースが増え、インドのスタートアップ環境はここ数年でシリコンバレーに匹敵するほどになっています。ソフトバンクビジョンファンドの超大型投資を受ける企業も多く排出しており、インドのスタートアップは世界中から最も注目されているといっても過言ではないでしょう。

本稿では、これからインドで急増が見込まれる物流に対して、車両の管理や運用・整備に関するコストを最適化するソーリュション、フリートマネジメントシステムを展開する「Intellicar」のCEO、Karan Makhija氏に話を伺いました。


Intellicar – フリートマネジメントシステム

https://intellicar.in/

Intellicarは、モビリティのシェアを促進し、交通渋滞や二酸化炭素排出量の削減を目指したフリートマネージメントシステムを提供しています。リアルタイムで自動車の運転状況や運転手のパフォーマンス、自動車機器の予知保全などを行うことで、安全性を確保し、自動車の運営・メンテナンスコストを削減します。

CEOインタビュー

Karan Makhija
CEO, and Co-Founder

英クランフィールド大学にて自動車工学の修士号を取得。大学院性としてジャガー・ランド・ローバー社におけるハイブリッド・電気自動車研究プロジェクトに取り込む。帰国後、大手自動車企業Ashok Leyland、コンサルティング企業アクセンチュアを経た後にスタートアップを創業。

━━起業のきっかけは?

GPSトラッカーなど機械の普及は進んでいるが、一方、自動車のエンド・ツー・エンドでのトラッキングや診断結果を提供するプラットフォームはなかった。

そこにビジネスチャンスを感じ、自動車工学、IoT、ビッグデータ分析、機械学習のコアスキルを持つメンバーに声をかけ、2015年に自動車テレマティックス事業の「Intellicar」を立ち上げた。

Intellicarは、リアルタイムで自動車の運転状況や運転手のパフォーマンス、自動車機器の予知保全や、カスタムIoTソリューションを提供する。自転車、バイク、車、トラックなどの移動中の重機械などに利用される。

━━サービスのバリュー・プロポジションは?

Intellicarのソリューションは、自動車の運営・メンテナンスコストを削減し、安全性を確保する技術である。リアルタイムの自動車分析によって、自動車所有者はよりスマートに意思決定ができ、自動車の維持管理の改善にも繋がる。この技術はどんな自動車にも搭載することができる。

Intellicarのプラットフォームは、そういったエコシステムを提供し、自動車の関連業者、消費者などを繋ぐことができる。以下では、このエコシステムの利点の一例だ。

  • 壊れている部品の購入:自動車の部品の交換が必要になった際、Intellicarの自動車アナリティクスによって、必要なデータを部品会社に共有し、顧客の家まで部品の配達や、修理作業などを依頼することができる。
  • 自動車保険:週2、3日にしか車を利用しない場合、Intellicarのデータによって最適な保険料が決定される。

Intellicarでは大量のデータを取り扱っている。3万5千台の自動車ごと80件のパラメーター処理が行われており、1日あたり55億データポイントを収集している。ちなみにTwitterは1日あたり35〜40億データポイントで、Intellicarはそれを上回る。

現在、世界中の約200社程の企業と取引している。インドでは、セルフドライブ・レンタカーのZoomCarがビッククライアントで、ZoomCarのテクノロジープラットフォームを構築し管理している。自動車診断、遠隔ドア開錠・鎖錠、車の開錠・鎖錠、リアルタイム運転手パフォーマンスアナリティクスなどを提供している。

その他にも、ライドシェアのOla、自動車メーカーのVolvo、Ashok Leylanなど、モビリティ企業が中心で、日系企業だと日立や丸紅、ブリヂストンなどがそれに該当する。

2019年5月に、シンガポールの公共交通機関SMRTが利用するテクノロジープラットフォームをローンチする。

他にも、どんな自動車にも繋がるBluetoothデバイスのIntelliBluを開発している。IntelliBluデバイスがエンド・ツー・エンドで暗号化されたアナリティクスを提供する。

━━日本市場や日本企業へ期待することは?

日本におけるビジネスチャンスに期待している。ぜひ日本の投資家と相談する機会をいただきたい。

━━競合企業は?

大手自動車部品メーカーBosch、ITサービス企業のWiproやInfosys、米国のDelphi、Continental Automotiveなどが競合だ。

それに対し、Intellicarはスタートアップなので、フレキシブルなデータベースを提供し、よりスピーディーにカスタムソリューションを開発し、実行し、スケールアップできることが強み。

自動車工学、IoT、データ分析の専門知識があるチームが、どんな自動車でも適用されるプロダクトを開発しており、企業のニーズに応じたカスタマイズが可能で、かつ、3ヶ月ごとテクノロジーの機能のアップデートをリリースしている。

━━資金調達ラウンドは?

現在進捗中である。

━━現在のチームは?


Kaushik Raju
セールスおよびプロジェクトマネジメントの担当。ファミリー向けビジネス、大手ホテル・病院のブランディングの経験を持つ。

 


Shunmuga Krishnan
CTO
コンピュータビション、機械学習、ゲーム理論の研究者。Akamai Technologies、CISCO、Hewlett Packardで就業。分散システム管理や大規模での機械学習技術に関して10年以上の経験を持つ。

 


Siddharth Middela
システム構築を担当。Akamai TechnologiesやYahooで勤務し、10年以上のシステム構築経験を持つ。コンピュータネットワークに関する修士号を取得。コンピュータ言語学、自然言語処理にも専門知識を持つ。


日本でももちろんフリートマネージメントの必要性がないわけではもちろんありません。しかし、この領域はインド企業の方がよりイノベーションに近い存在です。

インドを中心とした新興国では、道路の整備状況、日常的な整備業務、運転手のクオリティなどの面から、日本以上にフリートマネージメントが必要な国です。そして、車両台数の多さ、そして、トラブルの発生件数の多さからビッグデータとしては日本はかないません。そのため、インドで事業展開しているIntellicarの方が日本の同業者よりも、圧倒的にイノベーティブな機会を手にすることができます。それはインドスタートアップの強みです。

だからこそ、日本企業はいわゆる「リバースエンジニアリング」をどう活用するか。日本の最先端のハードウェアテクノロジーを、インドのビッグデータとそれに由来するソフトウェアテクノロジーといかに掛け合わせるかを考える必要があります。


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